2021.06.12
目次
動物介在療法とも呼ばれ、認知症や自閉症の方、運動機能が低下している方などに犬と触れ合ってもらって、心身のリハビリや治療を目指す活動です。
複数の患者さんが複数のセラピードッグと触れ合える集団ドッグセラピーと、セラピードッグと患者さんが1対1の個別セラピーがあります。
より効果が高いのは個別セラピーとされていますが、日本ではセラピードッグを養成する環境が不十分で不足していることや、病院での受け入れ態勢が整っていないこともあり普及が遅れているそうです。
■自虐的な発言が多く、介護拒否も多かった認知症患者さんの例
⇒犬に対して優しい言葉をかけ、セラピーを繰り返すごとに次第に自虐的な発言が減少、前向きな発言が見られるようになった
■車いす生活でほとんど発言のない男性
⇒犬においでおいでと声かけをされ、笑顔で犬をかわいがる様子が見られた
■事故により腕の自由が利かなくなった女の子
⇒痛みによりリハビリを嫌がる様子があったが、犬にボールを投げてあげるために腕を使うことを嫌がらなくなった
など、実際に症状が軽くなった、患者さんの意欲が高まったという事例が多くあります。
人は動物の温かな体温や無邪気な様子に癒され、怪我や病気の回復にも繋がります。
人は動物から癒される。では犬はどう思っているのか?
セラピードッグになるためには、犬は色んな人と関わり、性格の向き不向きを見極められます。
たった一人のご主人だけを信頼し、忠実に添い遂げるような、そんな武士気質の犬にはこのお仕事は向いていないかもしれません。
訓練によって患者さんに触られても抵抗をしないようにはなるかもしれませんが、犬側が「ご主人とだけ一緒に居たい」と思うようであれば、それはストレスの原因になります。
ドッグセラピーの理想は、人が癒されることはもちろん、犬側もセラピーの場を楽しいと感じ、患者さんとの触れ合いを精一杯楽しんでくれる関係にあると思います。
セラピー活動に向いている犬は、いろんな人に可愛がってもらって、たくさん遊んでほしい、撫でてほしいというような子たちではないでしょうか。
それをドッグセラピーの専門機関は見極め、理想に近づくために犬と人に様々なことを教え伝えていく活動を行っています。